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やねうらねこ

Author:やねうらねこ
やねうら的なところに棲んでいます。


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210622_ささゆり3
遠花火音だけ響く星闇に迷ひをのせて揺らぎゐる舟
傾きて朽ちゆく楡の木下闇 精霊たちの影溶かしゆく
メモ書きをしるし記憶を解き放つ転勤まへのオフィスの窓に
片仮名はジョークのようでも極東にパピプペテポドン緊張走る
境内を摺りあしにゆく橋姫の眉間の怒気を炎が照らす
佳作(香川ヒサ 選)

 昼月の見てゐる真昼 影のなき地表にわれはさらけ出されて
吹き上ぐる早緑の風に羽ばたけるツバメ青空とほき日の夢

「ミシガン」といふ名の外輪船にゆく靄る湖水の静もるなかを
佳作(三枝浩樹 選)

 ファランドール絵本のあはひ 子らはこの二間に育ち巣立ちゆきけり
ローソクの火は瞬けり火祭りの残留思念よみがへらせて
突き抜けてゆくしかないかもやもやをマグマ溜まりの上の天国
屋根の上にぺんぺん草の影ゆれてゆめ草枕とほき日の旅
晴れてゆく兆しは見えずいまは未だ羽根なきサナギの列びゐる洞(うろ)
回想を交はす言の葉ローソクの炎とともに揺らめく仏間

木枯らしのこゑ甲高きゆふぐれの回転とびら身を寄せくぐる

抱くことも抱かるることも春まなか光る砂粒なみまにふたつ

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